相続放棄をしても、不動産の保存義務があるの?

事例・報告

相続放棄をしても、不動産の保存義務があるの?

2024/09/03 事例・報告

「相続放棄をしても実家の管理をし続けなければならないのでしょうか?」というような相続放棄後の不動産の保存義務があるかどうかについて、ご相談を受けることがよくあります。

 

この問題については、民法が改正され、

「民法940条1項(相続の放棄をした者による管理)

 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」

と定められています。

つまり、「現に占有しているとき」に限って、「財産を保存」する義務があるとなっていますから、相続放棄をされた方がその不動産を占有していなければ、保存義務がないことになります。

 

なお、その不動産を占有されている方は、これまでと変わらず、他の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでは保存義務があることになります。

 

民法改正前は、インターネットの情報などを読まれ、相続放棄をした後、不動産の管理をし続けなければならないのかとご不安を口にされる方もいましたが、民法改正によりこの点が明らかになりましたのでお知らせします。

 

 


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