相続法改正Q&A(4) -預金の払い戻しについて-

事例・報告

相続法改正Q&A(4) -預金の払い戻しについて-

2019/05/13 事例・報告

今回の相続法の改正では、預金の払い戻しについても、新たに規定がなされました。

Q1 相続が起きた場合、預金の払戻はどうしたらよいでしょうか。相続人であれば、単独で自分の相続分を払い戻せるのでしょうか。

単独では払い戻すことは出来ません。

最高裁の判例により、預貯金債権は遺産分割の対象財産に含まれるとされたため、共同相続人による単独での払戻しが認められないからです。ですので、他の相続人と遺産分割の合意が完了しなければ、払い戻しができません。

 

Q2 それでは、葬儀費用や相続人の生活費の支払い等,当座の資金に困ってしまうのですが。

そのような場合に、今回の改正で仮払いの制度が認められました。

2つの仮払制度があります。

一つは、預貯金債権に限り、家庭裁判所の仮分割の仮処分で行うというやり方です。
 具体的には、家庭裁判所に調停を申し立てて、そこで払戻をお願いをすることになります。

もう一つは、預貯金債権の一定割合について、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関の窓口において支払いを受けるやり方です。
 具体的には、A銀行に1200万円の預金がある場合、その3分の1につき、自分の法定相続分の割合で払戻が出来るというものです。

例えば、4分の1の法定相続分を持つ相続人は、1200万円×1/3×1/4=100万円まで払い戻しを受けられることになります。ただ、1つの金融機関では150万円が限度とされています。

 

なお、改正相続法は、原則として2019年7月1日から施行されますが、この払戻は2019年6月30日以前に開始した相続に関し、同年7月1日以降に預貯金債権が行使される場合にも適用があります。

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