相続法改正Q&A(2) -配偶者居住権-

事例・報告

相続法改正Q&A(2) -配偶者居住権-

2018/12/08 事例・報告

改正民法では、被相続人の配偶者の居住権を保護するための改正が、いくつかなされました。

そのひとつが、配偶者居住権が新設されたことです。

亡くなった被相続人名義の建物に相続開始の時に居住していた配偶者は、被相続人所有の建物について、終身または一定期間、無償で建物の使用を認める権利(配偶者居住権)が、遺産分割における選択肢の一つとして、または被相続人の遺言や死因贈与によって、取得できるようになりました。

現行制度では、亡き夫の遺産である自宅(2000万円)と預貯金3000万円を妻と子2人が相続する場合、法律通りに相続するとなると、妻の相続分は、2分の1の2500万円です。住みなれた自宅に住み続けることを選んで自宅を相続した被相続人の妻は、預貯金は、500万円しか相続できません。

それでは、住む場所はあるけれど、生活費が不足しそうで不安になりますよね。

もちろん、子らと遺産分割協議がまとまれば、違う形での相続も可能ですが、まとまらない場合に、裁判所で決めてもらうとすると、法律通りの相続分となってしまいます。

〔現行制度〕

(※)法務省ウェブサイト(http://www.moj.go.jp/content/001263589.pdf)より

 

改正法では、 ①相続人全員の合意がある場合、または、②「配偶者が希望し、かつ居住建物の所有者の受ける不利益を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があるとき」  には、居住権の相続が認められるようになりましたので、(一方で、子は負担つき所有権を相続します)配偶者は、自宅に居住しながらも、相続できる預貯金が増えることになりました。

この居住権の価格の算定方法としては、建物の耐用年数、築年数、法定利率等を考慮し、配偶者居住権の負担が消滅した時点の建物敷地の価値を算定した上、これを現在価値に引き直して求めるよう、基準が定められています。

上記の例で、配偶者居住権が1000万円、負担付き所有権が1000万円と評価されたとすると、妻は、配偶者居住権のほか、1500万円の預金を相続することができます。配偶者居住権が認められれば、配偶者は、自宅での居住権を確保しながら、その他の財産も取得できやすくなったといえるでしょう。

〔改正法〕

(※)法務省ウェブサイト(http://www.moj.go.jp/content/001263589.pdf)より

 

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