弁護士は円満な相続のお手伝いもします

事例・報告

弁護士は円満な相続のお手伝いもします

2017/12/21 事例・報告

皆さんは,弁護士のことを「相続で争いが起きたら頼むもの」と思っていませんか?いえいえ。弁護士は円満な相続のお手伝いもします。そんな事例のご紹介です。

亡くなったのは高齢の男性で,その相続人である奥様と娘さんからご相談を受けました。その内容は,お二人の間に争いがあるわけではなく,相続に関する手続が分からず困っているというものでした。そこで,弁護士の方で一連の相続手続を一手にお引き受けすることになりました。

まず,財産調査に関しては,生前,男性が自分で全てを管理していたこともあり,お二人は財産の具体的な内容をほとんど把握していませんでした。そこで,弁護士が代理人となって,金融機関への照会や資料の取り寄せなど必要な財産調査をすべて行いました。

次に,遺産分割の内容を決めるにあたっては,なるべく相続税を安くすることが重要な課題となります。そこで,懇意の税理士さんに依頼して,今回の男性の相続だけでなく次に奥様が亡くなったときの2次相続までを想定した相続税のシミュレーションをしてもらいました。その結果を踏まえ奥様と娘さんの生活状況やご希望もお聞きした上で,遺産分割協議書を完成させました。

その後,協議書に基づく銀行窓口での預金解約など名義変更の手続も弁護士の方で行いました(不動産の名義変更だけは懇意の司法書士さんにお願いしました)。また,相続税の申告はシミュレーションをしてもらった税理士さんにそのままお願いしました。

このようにして,お二人には手続が分からないことによるストレスを感じさせることなく一連の相続手続を完了させることができました。

同じような悩みをお持ちの方は,ぜひ一度,当事務所にご相談ください。

 

 

 

遺言の無効

2017/08/10 事例・報告

法律が定めた相続分では、必ずしも、家族の実情にあわなかったり、遺言者の気持ちに沿わないことはよくあります。

遺言は、自分が生涯かけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために作成するものです。 

しかし、元気な時に、よくよく考えて作った遺言を、病気になって判断能力が衰えてから、そのときに周りにいた人の意向に沿った遺言に作りかえてしまうことがあります。

遺言状を作成したときに、遺言者に遺言能力がなければ、遺言は、無効となります。

遺言能力は、「当該遺言の内容や効果を弁識する能力」とされていて、遺言能力があるかどうかは、遺言の内容や、遺言状を作成したときの遺言者の心身の状況から判断されます。

当事務所が得た判決ですが、子のいない遺言者が、元気なときに、生涯でそれまで世話になった人たち(Aを含む)に感謝する思いで、バランスを考えて、配分する公正証書遺言を作成していたところ、病気になって、痛みと薬の影響で幻覚症状が認められたり、せん妄が現れ、認知症と診断され、精神的にも不安定になった後、Aが、遺言者に対し、それまで世話をしていた人たちとの接触を断たせて、Aが付き添う形で、専らAの利益となる公正証書遺言をつくらせた事例で、後の遺言時には、遺言能力を欠いていたとして、遺言を無効としました。

遺言は、相続を巡り、親族間で争いが起こることを防ぐために作られるのが一般的ですが、判断能力が衰えてから作成した不合理な遺言があるばかりに、争いが起こることも少なくありません。やはり、遺言は、元気なときに、よく考えて作る必要があるでしょう。

遺産分割調停に来ない相続人がいるとき(調停に代わる審判)

2017/08/10 事例・報告

ある人が遺言書をつくらずに亡くなった場合、その相続財産の分け方は相続人全員の合意による遺産分割協議で決まります。遺産分割協議書には相続人全員が印鑑を押す必要があります。1人でも欠けると成立しません。

相続人間の協議が調わないとき、家庭裁判所での遺産分割調停の手続を使って決めることになります。ただし、その場合でも、家庭裁判所で相続人全員が合意しなければ調停は成立しません。

「法定相続分にみあう財産がほしい。」「自分の意見を裁判所で主張したい。」という要求や主張がある相続人は裁判所で調停が行われれば参加します。最初は意見の対立があったとしても、調停に参加している人達の間で最終的に意見が一致すれば、実質的には話合いがまとまったも同じです。

ところが、相続人の中には「何も要らない。面倒なことは一切何もしたくない。」と言って調停に全く来ない人が時々います。このような人は、手続を進めるための書類に署名押印をお願いしても協力してもらえないことがよくあります。この「何もしたくない」相続人がいる場合、他の相続人の意見が一致しても遺産分割調停を成立させることはできないのでしょうか?

このような場合、参加している相続人と裁判所の協議によって裁判所から「調停に代わる審判」を出してもらう方法があります。この審判によって示される遺産分割の具体的な内容は、通常、調停に参加している相続人間で合意した内容に沿ったものとなっています。この審判書は、調停に来ている来ていないにかかわらず相続人全員に送られます。そして、2週間以内に誰からも異議の申立が無ければその内容で遺産分割調停が成立したことになります。「何もしたくない」相続人はもともと要求や主張があるわけではないので、わざわざ異議を出してくることはありません。

このように、「何もしたくない」」相続人がいたとしても、遺産分割調停を成立させる方法があるのです。

相続財産の預貯金の扱いに大きな変更が(最高裁判例から)

2017/08/10 事例・報告

これまで預貯金は、被相続人の死亡により相続人らに当然に分割されて遺産分割の対象とはならないとされていました。しかし、最近最高裁は、預貯金も遺産分割の対象となると、法律家等の実務家や銀行業界から非常に注目を浴びる判断を下しました。

これにより何が違ってくるのでしょうか。まずは、公平さがはかれるということです。

私が担当した例を挙げますと、1人の相続人が2000万円の生前贈与を受けましたが、遺産の預貯金も2000万円しかありません。本来4000万円の財産があったので、相続人が2人なら1人2000万円となるので、生前贈与を受けた人はもう取得するものがないことになりますが、預貯金が当然分割されるとすると、生前贈与をもらった人は預貯金からも1000万円もらえて合計3000万円取得できてしまうことになります。これでは不公平ですね。今回の判例変更により、このようなことがなくなります。

ただ、預貯金が当然分割されないとなると、金融機関に自分の相続分を請求しても支払ってくれないことになります。これまでも慎重を期すため一定の要式を必要としていましたが、これからは遺産分割協議書がないと払ってくれないことになりますので、遺産分割が出来るまで預貯金は凍結されることになります。遺産が預貯金しかない相続人の方の場合は、手間が増えることになりますね。また、預貯金を相続税の支払いに充てようと思っていた人は、遺産分割が長引くと死亡後10ヶ月という税金の申告期限が先に来てしまうことになり困ってしまうことも出てくるでしょう。もし、預貯金をすぐに引き出せるようにしたいならば、遺言書を作成し、そこに遺言執行者を定め遺言執行として受けとるようにする方法が考えられます。いずれにしろ、わからないときは弁護士にご相談下さい。

親の預金を兄弟が引き出していた!

2017/08/10 事例・報告

親が死亡した後、預金通帳を見てみたら、たくさんあったはずの預金が残っていない。取引履歴を調べてみたら、長期間にわたって引き出されている。親がそのころに引き出すはずがない。そうだ、兄弟が通帳を管理していたはずだから、あいつがおろしたに違いない。

こんな事案の依頼を受けることがあります。

兄弟が、自分が通帳を預かっていたこと、自分が引き出したこと、それを自分が使ったことを認めれば、その事実を前提に遺産相続の話を進めればいいのですが、通帳は預かっていない、自分は引き出していない、引き出したが親に渡した、引き出した金は親の医療費や施設入居費に使った、と主張されることが多い。

このような場合、最終的には裁判を申し立てなければならないことになります。裁判では、証拠が必要。しかし、身内のことですから証拠が残っていることの方がむしろ少ないでしょう。

ある事件では、「疑わしいがはっきりした証拠がない」という裁判官の心証により、一定程度の金銭を兄弟が取得したことを前提に遺産分割の協議を続けるという和解が成立しました。

逆に、親の通帳を預かることになった場合、兄弟姉妹に不審を抱かれないため、収支をきちんと帳簿につけ、領収書を残し、1年に1回程度は会計報告するようにしてください。仲のよかった兄弟姉妹が、親が死亡した途端にケンカ状態になることは誰も望んでいませんから。

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