相続財産の預貯金の扱いに大きな変更が(最高裁判例から)

事例・報告

相続財産の預貯金の扱いに大きな変更が(最高裁判例から)

2017/08/10 事例・報告

これまで預貯金は、被相続人の死亡により相続人らに当然に分割されて遺産分割の対象とはならないとされていました。しかし、最近最高裁は、預貯金も遺産分割の対象となると、法律家等の実務家や銀行業界から非常に注目を浴びる判断を下しました。

これにより何が違ってくるのでしょうか。まずは、公平さがはかれるということです。

私が担当した例を挙げますと、1人の相続人が2000万円の生前贈与を受けましたが、遺産の預貯金も2000万円しかありません。本来4000万円の財産があったので、相続人が2人なら1人2000万円となるので、生前贈与を受けた人はもう取得するものがないことになりますが、預貯金が当然分割されるとすると、生前贈与をもらった人は預貯金からも1000万円もらえて合計3000万円取得できてしまうことになります。これでは不公平ですね。今回の判例変更により、このようなことがなくなります。

ただ、預貯金が当然分割されないとなると、金融機関に自分の相続分を請求しても支払ってくれないことになります。これまでも慎重を期すため一定の要式を必要としていましたが、これからは遺産分割協議書がないと払ってくれないことになりますので、遺産分割が出来るまで預貯金は凍結されることになります。遺産が預貯金しかない相続人の方の場合は、手間が増えることになりますね。また、預貯金を相続税の支払いに充てようと思っていた人は、遺産分割が長引くと死亡後10ヶ月という税金の申告期限が先に来てしまうことになり困ってしまうことも出てくるでしょう。もし、預貯金をすぐに引き出せるようにしたいならば、遺言書を作成し、そこに遺言執行者を定め遺言執行として受けとるようにする方法が考えられます。いずれにしろ、わからないときは弁護士にご相談下さい。

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